どうすれば、アスパラが多収出来るか?
2013年 03月 01日
昨日に引き続き、アスパラの多収についてです。
しつこいですが、私自身は多収したいとも思っていませんし
その技術も正しいかどうかわかりません。
ただ、うちのアスパラと、うちの土壌で経験して「多収を狙うなら、こうするだろうなあ」
という事を書いています。
昨日、春のアスパラで、反収、1日に80キロ!と書きましたが
そのときの画像です。
アスパラ農家の方は、反収80キロとか言うと、多分信用しません。
でもこれを見ると、もう、神様扱いですね。
これを元に、資材の販売でもしたほうが儲かるかもしれません(笑)
この世界では、反当り年間、3トンというのが、車で言えば、セルシオとかベンツのクラスなんでしょうか?
4トンともなると、国内に30人いるかどうかという世界ですので
ベントレ-あたりかもしれません。
5トンとか6トンとか言うと、数人です。
これはもう、マクラ-レンでしょうね。
教祖様です(笑)
以前、島原に6トンの農家のハウスを研修で見に行ったことがあるのですが
堆肥まみれで作っていて、密殖も密殖(植えている株が2倍くらい)
「こりゃあ、採れるはなぁ」と思いました。
肥料バカぎきですし、数年で根もこんがらがってダメになるだろうなあ
と思って、聞いたら、5年でハウスは横に移すとの事。
土と株がダメになってもいいんですね。
それを見越して、どんどん新植していく。
ハウスも小型のものですから、大人1人でも、パイプを抜いて、移設で来ます。
どちらも自分の土地、そして味はというと、飛びぬけてまずい(笑)
でも、JAへの出荷ですから、良いんですね。
普通に流通する分には、味なんて何の価値もありませんから・・・
これが普通の農業です。
あくまでも経営ですから、これまた、ひとつの見識です。
もちろん、多収狙いで肥料過多ではありますが
人の何倍も、観察して、世話をしているはずです。
で、こういう神様が、春に1日に何キロ採るかというと
平均で30キロくらいです。
55日~60日収穫しますので、春だけで1.7トン前後
立茎後の夏に、春の2倍くらい採りますので、それで5トンに乗るわけです。
35キロくらいだと6トンも夢では無いという事になるんでしょうか?
あくまでも平均ですので、ピ-ク時には50キロ近く収穫することになるでしょう。
最高に採ったときでそのくらい行かないと、5トンの大台には乗りません。
ですから、上記の80キロというと、これはもう思考停止レベルですね(笑)
もう車ではなく、スペ-スシャトルでしょうか?
夢のような話ですから、「どこでもドア」かもしれません(笑)
ちなみに、普通の収穫では、1日平均20キロというのが普通です。
一株から、1本でていて普通なのですが
5本とか6本とか収穫です。
アスパラ農家にとっては、夢のような話です。
うちで3反ですから、1日240キロというと、JAを通しての単価ですら
1日25万円収入があるわけです。
これ、前年の春に新植して次の春ですので、アスパラ自体はあまり太くありません。
2年生の株ですから、確かにパンチ力はあり、元気なのですが
(年を経るごとに、穏やかになります。人間と同じです。)
でも、どうしてこういう事になったか、よくわかりません。
株間はむしろ広い30センチで、株数は普通よりも少ないほうです。
ただ、前年の春に定植して、その後雑草採りに追われました。
(収穫作業はありません)
間引きを始めた5月になって、その年は台風のあたり年
週末ごとに、6回台風が接近した年です。
その中で、3回鹿児島に上陸し、毎週台風対策です。
こういうスプリングでビニ-ルを編みこんでいって、補強するわけです。
スプリングで留めるという事は、ハウスを密閉するという事ですので
中は当然、温度も上がり、蒸れます。
中のアスパラは、どんどん繁茂するわけですね。
通風や日当たりが悪くなって、病気のリスクが飛躍的に高まります。
ですから、できればしたくない。
でもやらなければ、ハウスが破損して、長時間雨に叩かれ強風に揺らされ
ハウス自体もつぶれてしまいます。
またスプリングも、屋根のうえにも登って、全部で2000本以上留めますので
指先も痛さを通り越して、感覚がなくなるほど、いやな作業です。
ですから、台風の予想進路を見ながら、どうやら暴風雨圏に入るとなれば
上陸の1日半前から作業し始めます。
(前日では、屋根に登れなくなります)
この年は、金曜か土曜に上陸あるいは直撃の可能性があるとき
水曜日あたりから作業を初め、当日は待機、そして通り過ぎた
土曜日には、すぐにスプリングをはずして、ハウスを少しでも早く
開けます。
でもそのとき、次の台風が伺っており、1週間後にまた来るといった具合です。
ですから、スプリングをはずすときに、「これまた4日後くらいにはまた留めるんだよなあ」
と情けなく思いながらも、6回行いました。
それでも、スプリングをとめることのできない(つまりどうすることも出来ない)
天井の一番上のビニ-ルは、2回飛ばされて、破れました。
スプリングで留めなかったら、もっと大変なことになっていたところです。
(実際、近所の同形式のハウスは、甚大な被害)
で、7月まで間引くことも出来ず、台風がほぼ来なくなった8月には
一株あたり20本以上の茎が立って、ハウスの中には経って入れないほど
茂ってしまいました。
なんとか大した病気もでず、全刈り時期を迎えたわけです。
そして春になったら、こういう事に・・・
肥料をいっぱい入れたわけではありません。
貯蔵養分も、これだけでると、いつなくなってしまうかも知れず
(このときは、根っこの貯蔵養分は糖度計で38を超していました。38までしか計れないので
それ以上はわかりません)
体力的なこともあり、30日で立茎に入りました。
このときの収穫風景です。
かごにアスパラを入れていくのですが、普通大体、ピ-ク時で25メ-トル進んで
かごがいっぱいになります。
ところがこのときは、5メ-トルくらいで、いっぱいになった。
そして、収穫作業がなかなか終わりません。
前に進まないんです。
朝の7時頃から収穫を始め、終えるのが昼の12時過ぎ
すぐに持ってかえって、カットして、2時半頃から再び夕方の収穫
そして、暗くなり始めて、アスパラが見えなくなるまで
収穫しても、全部終わらなかった。(そのときは黄色蛍光灯はまだ設置していません)
それを持ち帰って、夜の11時頃までカット、当時はJAへの出荷でしたので
サイズ別に箱に入れて、結束場の冷蔵庫に運んで終わり。
そういう毎日でした。
アスパラの体調とか、味は?とか考える余裕もなく、単なる収穫機械と化していた
まあ、それでもいいのかもしれませんが
長くなりました
明日収穫がありますので
続きは、また明日にでも
しつこいですが、私自身は多収したいとも思っていませんし
その技術も正しいかどうかわかりません。
ただ、うちのアスパラと、うちの土壌で経験して「多収を狙うなら、こうするだろうなあ」
という事を書いています。
昨日、春のアスパラで、反収、1日に80キロ!と書きましたが
そのときの画像です。
アスパラ農家の方は、反収80キロとか言うと、多分信用しません。
でもこれを見ると、もう、神様扱いですね。
これを元に、資材の販売でもしたほうが儲かるかもしれません(笑)
この世界では、反当り年間、3トンというのが、車で言えば、セルシオとかベンツのクラスなんでしょうか?
4トンともなると、国内に30人いるかどうかという世界ですので
ベントレ-あたりかもしれません。
5トンとか6トンとか言うと、数人です。
これはもう、マクラ-レンでしょうね。
教祖様です(笑)
以前、島原に6トンの農家のハウスを研修で見に行ったことがあるのですが
堆肥まみれで作っていて、密殖も密殖(植えている株が2倍くらい)
「こりゃあ、採れるはなぁ」と思いました。
肥料バカぎきですし、数年で根もこんがらがってダメになるだろうなあ
と思って、聞いたら、5年でハウスは横に移すとの事。
土と株がダメになってもいいんですね。
それを見越して、どんどん新植していく。
ハウスも小型のものですから、大人1人でも、パイプを抜いて、移設で来ます。
どちらも自分の土地、そして味はというと、飛びぬけてまずい(笑)
でも、JAへの出荷ですから、良いんですね。
普通に流通する分には、味なんて何の価値もありませんから・・・
これが普通の農業です。
あくまでも経営ですから、これまた、ひとつの見識です。
もちろん、多収狙いで肥料過多ではありますが
人の何倍も、観察して、世話をしているはずです。
で、こういう神様が、春に1日に何キロ採るかというと
平均で30キロくらいです。
55日~60日収穫しますので、春だけで1.7トン前後
立茎後の夏に、春の2倍くらい採りますので、それで5トンに乗るわけです。
35キロくらいだと6トンも夢では無いという事になるんでしょうか?
あくまでも平均ですので、ピ-ク時には50キロ近く収穫することになるでしょう。
最高に採ったときでそのくらい行かないと、5トンの大台には乗りません。
ですから、上記の80キロというと、これはもう思考停止レベルですね(笑)
もう車ではなく、スペ-スシャトルでしょうか?
夢のような話ですから、「どこでもドア」かもしれません(笑)
ちなみに、普通の収穫では、1日平均20キロというのが普通です。
一株から、1本でていて普通なのですが
5本とか6本とか収穫です。
アスパラ農家にとっては、夢のような話です。
うちで3反ですから、1日240キロというと、JAを通しての単価ですら
1日25万円収入があるわけです。
これ、前年の春に新植して次の春ですので、アスパラ自体はあまり太くありません。
2年生の株ですから、確かにパンチ力はあり、元気なのですが
(年を経るごとに、穏やかになります。人間と同じです。)
でも、どうしてこういう事になったか、よくわかりません。
株間はむしろ広い30センチで、株数は普通よりも少ないほうです。
ただ、前年の春に定植して、その後雑草採りに追われました。
(収穫作業はありません)
間引きを始めた5月になって、その年は台風のあたり年
週末ごとに、6回台風が接近した年です。
その中で、3回鹿児島に上陸し、毎週台風対策です。
こういうスプリングでビニ-ルを編みこんでいって、補強するわけです。
スプリングで留めるという事は、ハウスを密閉するという事ですので
中は当然、温度も上がり、蒸れます。
中のアスパラは、どんどん繁茂するわけですね。
通風や日当たりが悪くなって、病気のリスクが飛躍的に高まります。
ですから、できればしたくない。
でもやらなければ、ハウスが破損して、長時間雨に叩かれ強風に揺らされ
ハウス自体もつぶれてしまいます。
またスプリングも、屋根のうえにも登って、全部で2000本以上留めますので
指先も痛さを通り越して、感覚がなくなるほど、いやな作業です。
ですから、台風の予想進路を見ながら、どうやら暴風雨圏に入るとなれば
上陸の1日半前から作業し始めます。
(前日では、屋根に登れなくなります)
この年は、金曜か土曜に上陸あるいは直撃の可能性があるとき
水曜日あたりから作業を初め、当日は待機、そして通り過ぎた
土曜日には、すぐにスプリングをはずして、ハウスを少しでも早く
開けます。
でもそのとき、次の台風が伺っており、1週間後にまた来るといった具合です。
ですから、スプリングをはずすときに、「これまた4日後くらいにはまた留めるんだよなあ」
と情けなく思いながらも、6回行いました。
それでも、スプリングをとめることのできない(つまりどうすることも出来ない)
天井の一番上のビニ-ルは、2回飛ばされて、破れました。
スプリングで留めなかったら、もっと大変なことになっていたところです。
(実際、近所の同形式のハウスは、甚大な被害)
で、7月まで間引くことも出来ず、台風がほぼ来なくなった8月には
一株あたり20本以上の茎が立って、ハウスの中には経って入れないほど
茂ってしまいました。
なんとか大した病気もでず、全刈り時期を迎えたわけです。
そして春になったら、こういう事に・・・
肥料をいっぱい入れたわけではありません。
貯蔵養分も、これだけでると、いつなくなってしまうかも知れず
(このときは、根っこの貯蔵養分は糖度計で38を超していました。38までしか計れないので
それ以上はわかりません)
体力的なこともあり、30日で立茎に入りました。
このときの収穫風景です。
かごにアスパラを入れていくのですが、普通大体、ピ-ク時で25メ-トル進んで
かごがいっぱいになります。
ところがこのときは、5メ-トルくらいで、いっぱいになった。
そして、収穫作業がなかなか終わりません。
前に進まないんです。
朝の7時頃から収穫を始め、終えるのが昼の12時過ぎ
すぐに持ってかえって、カットして、2時半頃から再び夕方の収穫
そして、暗くなり始めて、アスパラが見えなくなるまで
収穫しても、全部終わらなかった。(そのときは黄色蛍光灯はまだ設置していません)
それを持ち帰って、夜の11時頃までカット、当時はJAへの出荷でしたので
サイズ別に箱に入れて、結束場の冷蔵庫に運んで終わり。
そういう毎日でした。
アスパラの体調とか、味は?とか考える余裕もなく、単なる収穫機械と化していた
まあ、それでもいいのかもしれませんが
長くなりました
明日収穫がありますので
続きは、また明日にでも
by chikomomorara
| 2013-03-01 02:31
| アスパラ栽培