まずはアスパラからやっと、葉っぱが展開し始めたものも出てきました。でも、まだ8割ほどはスカスカです。本来、ほとんど萌芽が止まり始めるこの時期にあり得ない光景です。
このスカスカの状態のまま11月中旬になれば、根っこに養分はたまりません。間に合うのだろうかと心配になります。
というのも、やはり、予想通り病気の大発生(このままでは止まらないと、古い親茎は持ち出して新しく立てたのですが)に加え、害虫の大発生です。特に、ヨトウムシが一斉に発生しました。ガの幼虫ですが、卵が孵化すると一度に何百匹と生まれます。2~3ミリにも満たない幼虫が茎をかじるとこの通り、まともに伸びません。その前に、アスパラの茎葉をなめて、白骨化します。こうなると光合成できないので、余計に弱ります。この茎葉には20匹ほどついていました。結局こうなって、枯れてしまいます。
全ハウスで卵を産み付けられていたのが500か所以上でしょうか?害虫すべてにおいてそうですが、1か所被害を見つけたら、大体その10倍はいますのでその日のうちに薬剤散布します。
ですので、普通ならこれほど広がることはありませんが、今年はあっという間に広がりました。この間まで、猛暑であまり虫も見かけません。(さつまいもの葉っぱが大好物なので、ヨトウが出始めればさつまいもの畑を見ればすぐにわかります。手入れが遅れた畑では2~3日で膨大な葉っぱが食いつくされなくなりますので)
その後台風の襲来で、活動できません。子孫を残そうと、短期間に大発生したのでしょう。
もっともそこまでは予測していましたが、予想外だったのは抵抗性がついたことです。殺虫剤も、使い続けると抵抗性がつき、効かなくなってきます。だから、新しく開発された新薬を使わなければなりません。(その新薬がまた高いのですが・・・)ちなみに、昔の薬よりも新薬は毒性が低くなっています。
ヨトウムシについては、4~5年前に使っていたアファ-ムという薬が効かなくなって今度は、プレオいう薬に移行、これが2年前まで効いていましたが昨年、突然効かなくなり、今度はフェニックスという薬剤を使っていました。
まだ新しいので、私の中では最終兵器です。これが今年は、全く効きません!!
例えは悪いかもしれませんが、数万人のゲリラをせん滅するのに核ミサイルを何十を撃ち込んでも、全く死んでいないというようなものです。
葉っぱが繁茂していてかかっていないということはありません。これだけスカスカですから、確実にかかってはいるのですが翌日みても、全く変化なし!
倍率を変えて、まいてみても、全く同じ!これにはまいりました。スカスカに立っている親茎もダメになりますし新しく立てることもできません。
そのまま死なずに増えていくとなると(実際、毎日増えていきましたが)1か月後には枯れてしまって、来年は無収入になります。最悪、離農ということにもなりかねません。
ですので、アスパラの収穫というよりヨトウムシの収穫の毎日でした。新芽にについているヨトウをつぶし(新芽は捨てるしかありません)その株元を、掘り返して、潜っている虫をつぶし、潅水ホ-スの裏に隠れている虫をつぶし上を見上げて葉っぱなどについているものをつぶし・・・50メ-トル進むのに、8時間です。毎日、何千匹潰したでしょうか?
それに明け暮れた2週間でしたが、試しに効かなくなったプレオをまいてみると効いた~~~!!!!上に画像で葉っぱの中に黒いものがぶら下がっていますが、これが虫の死骸です。こうあらねばなりません。
結論からすると、もっと早い段階で、プレオを散布すばよかったのですがなぜ効かなくなったのか、不思議です。ということで、ヨトウ騒ぎも一段落ようやく、きれいなアスパラが出始めました。このようなまともなアスパラを見るのは、4か月ぶりです。
今年は、寒くなれば、夜は閉めこんで、収穫できるまで収穫しようと思っています。夏アスパラ、お待たせしている方につきましては、来週あたりからお送りできそうです。
これだけ、気候が読めなくなってきていますので、もう来年からは夏アスパラ販売しないほうがいいのかもしれません。実際、今年は7~9月の三か月、お送りできるようなまともなものは、ほとんどありませんでした。露地畑はこのような状況です。1弾目、播種して育っていたところはある程度、復活し始まましたが半分くらいは消えています。2~3弾目はほぼ壊滅です。それほど、台風24号の吹き返しの暴風と、潮風はひどかった。
オクラのその後ですあれほどあった葉っぱが、すべてなくなりました。茶色くついているのが、葉っぱです。葉っぱで光合成できないにもかかわらず、けなげに、実をつけています。花まで咲いています。子孫を残そうと、必死なんですね。茎に持っている栄養を使って、最後の力を振り絞ってというところです。嘆いてばかりでは何も始まりませんので、その他のところにまき直しを始めています。
時期が時期だけに間に合うかどうかわかりませんが、努力は報われるでしょう。
ちなみに、鹿児島県内の直売所でも、今、野菜が全くないようです。
全国的に、今年は野菜が高いままかもしれません。